過剰適応
過剰適応について(簡単に)。
過剰適応とは
過剰適応の「過剰」は、「適応」が過剰であることで、他者への配慮や期待に過剰に答えようとし、その結果抑圧的になることをいいます。簡単にいうと、自分の感情(表現)を抑え、周囲の期待に無理に応えようとすることです。
「過剰適応」(over-adaptation)は欧米ではあまり一般的ではなく、日本で主に使われる用語です。しかし精神疾患の診断名にもなく、2000年に入って急激に注目されてきたもののようです。*1 *2
過剰適応によくみられる性格
過剰適応の性格特性は、以下のようなものが見られる傾向があります。
- (き)まじめ
- 辛抱強い
- 勤勉
- 責任感が強い
- 自己犠牲的
- 人から頼まれると嫌と言えない
職場においては、仕事に過剰にのめり込んだり他者に気を使いすぎて自分の感情や欲求を抑えるような傾向が見られます。いわゆる日本人には多そうな傾向で、実際社会的に高い評価を得ており、一見適応的に見える人が過剰適応の結果、うつ状態になることがあるそうです。(もちろん、上記のような性格特性を持つからといって必ず適応障害になる、というわけではありません)
なお、大人と子供の過剰適応は少々異なるようです。子供の過剰適応は、いわゆる「良い子」。
適応障害との違い
「過剰適応」(over-adaptation)は適応する力が強く働きすぎて自身にしわ寄せが来てしまうことですが、一方で「適応障害」(adjustment disorders)は、適応がうまくいなかなったもの。そういった意味で言えば、両者とも(外部変化や要求に対する)適応の過程で起きたものであることは共通しています。(不適応、適応不全などもありますが割愛)
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