タイトルは未定

メンタルヘルス・マネジメント検定の備忘メモ

パワハラ、セクハラ(労災認定基準)

パワハラ、セクハラに関する過去問です。

 

Q. セクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメントパワハラ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、回答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(第22回メンタルヘルス・マネジメント検定2種)

  1. セクハラやパワハラなど職場におけるハラスメントに起因する精神障害の発症については、「心理的負荷による精神障害の認定基準」(2011年12月26日付け基発1226第1号)に基づき、業務上外の判断がなされる。
  2. セクハラについては、セクハラの内容・程度、その継続する状況、会社の対応有無・内容、改善の状況、職場の人間関係等を踏まえ、業務上外の判断がなされる。
  3. 業務をめぐる方針等において、周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が生じ、その後の業務に大きな支障を来すような上司や同僚、部下とのトラブルがあった場合に該当するパワハラは、心理的負荷の強度が「強」とされる。
  4. セクハラやパワハラに基因する精神障害の発症が業務上と判断された場合には、労働基準法に基づき、保険給付として療養補償給付や障害補償給付などの支給が予定されている。

 

 

答え・・・

 

  

A.  4

回答4. セクハラやパワハラに基因する精神障害の発症が業務上と判断された場合には、労働基準法に基づき、保険給付として療養補償給付や障害補償給付などの支給が予定されている。

 × 誤り。基づくべきものは「労災保険法」です。

労働基準法」では労働災害(労災)発生時の企業の補償責任を定めていますが、より具体的な詳細部分はこれを受けて制定された「労働者災害補償保険法」(労災保険法)で定めています。

正しくは、

セクハラやパワハラに基因する精神障害の発症が業務上と判断された場合には、労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づき、保険給付として療養補償給付や障害補償給付などの支給が予定されている。

 

 他の回答について・・・

 

回答1.  セクハラやパワハラなど職場におけるハラスメントに起因する精神障害の発症については、「心理的負荷による精神障害の認定基準」(2011年12月26日付け基発1226第1号)に基づき、業務上外の判断がなされる。

◯ 正しい。 

労災は、①業務中に起きた(業務遂行性)、②業務が原因で起きた(業務起因性)、この2つが認められることで認定されます。(認めるのは労働基準監督署(長))

ただ、身体的な損害もそうではあるのですが、特に精神的な疾病については、その因果関係などを判断することが難しくなります。そのため、厚生労働省がその判断基準を決めていて、それが「心理的負荷による精神障害の認定基準」(認定基準)です。

労働基準監督署(長)はこの認定基準に基づいて労災認定の判断をします。

なお、2020年にこの認定基準が改正され、「パワハラ」の用語が記載されることになりました。(2020年の労働施策総合推進法でパワハラの定義がされたことにより)

 

回答2.  セクハラについては、セクハラの内容・程度、その継続する状況、会社の対応有無・内容、改善の状況、職場の人間関係等を踏まえ、業務上外の判断がなされる。

 ◯ 正しい。

認定基準によると、セクハラの

  • 内容、程度等
  • 継続する状況
  • 会社の対応の有無、内容、改善の状況
  • 職場の人間関係

等を考慮して判断するものとあります。

この場合、判断するのは「業務上外」。つまり、業務上のもの(労災)なのか、業務外のもの(私傷病)なのかということです。

 

回答3.  業務をめぐる方針等において、周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が生じ、その後の業務に大きな支障を来すような上司や同僚、部下とのトラブルがあった場合に該当するパワハラは、心理的負荷の強度が「強」とされる。

◯ 正しい。

労災のうち精神障害については、その原因と見られる(業務上の)出来事が当人の心理にどれくらい影響(負荷)があったかを見る必要があります。それを心理的負荷といいます。

出来事 → 心理的負荷 → 精神障害

このように、「出来事 → 精神障害」とひとっ飛びにいかず、それが与えた負荷強度を検討するることで、その出来事自体の評価をすることにもなります。

評価は3段階。個々の具体的なケースごとに、その心理的負荷を「弱」「中」「強」で判断し、それらを総合して最終的に心理的負荷の「弱」「中」「強」を決めます。

この3段階の基準は認定基準にカテゴリごと、具体例とともに載っています。

 

さて、上記3では、上司、同僚、部下との「客観的な」「大きな対立」が生じ、その後の「業務に大きな支障を来す」ことは心理的負荷は「強」とされます。

これは認定基準で示されている具体例ですが、これに従うと、

(例)上司/同僚/部下と、業務上の

  • 考え方の相違があった(客観的対立なし)→ 弱
  • 客観的対立が生じた → 中
  • 客観的な大きな対立、その後の業務に大きな支障 → 強

また、上司とのトラブルについては、

  • 上司からの業務指導、叱責 → 弱
  • 上司からの強い業務指導、叱責 → 中

 (いずれも、業務指導の範囲内) 

 

さらにさらに、パワハラについてもう少し。

(例)上司等より、以下のようなパワハラを受けたケースは心理的負荷「強」です。

  • 治療を必要とするほどの暴行を受ける
  • 人格や人間性を否定するような精神的攻撃が執拗に行われる
  • 必要以上の長時間の激しい叱責が執拗に行われる
  • 他の社員の前で大声での威圧的な叱責が執拗に行われる

それが「業務上必要(な程度)か」「社会通念上、許容される範囲内か」などがポイントでしょうか。また、上記の程度が下がり、繰り返されない(反復・継続がない)ケースは概ね「中」となるようです。

なお、上記の「上司等」は、職務ポジションが上の人だけに限らず、以下の少々広い範囲です。

  • 上司
  • 業務上、この人の協力を得ないと仕事が進まないような人(業務上必要な知識・経験を豊富に持っている)
  •  集団によるもので、それを拒んだり抵抗できないケース

 

またまた、

セクハラについては、例えばこのような感じ。(認定基準の具体例より)

(例)セクハラの具体例

  • 職場に水着姿の女性のポスターを貼った → 弱
  • 性的発言をされたが、継続なし → 中
  • 性的発言や人格否定を含む発言、継続 → 強
  • 腰を触られたが、継続せず、会社が対応・解決 → 中
  • 腰を触られたが、継続せず、会社が対応せず → 強
  • 腰を触られたが、継続せず、会社に相談後、職場の人間関係悪化 → 強
  • 腰を触られ、継続した → 強

 

 

・・・何だか暗くなってしまうのでここあたりで終了。

 

 

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