タイトルは未定

メンタルヘルス・マネジメント検定の備忘メモ

安全配慮義務③

安全配慮義務に関する過去問です。(その 3 )

 

Q.  安全配慮義務に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つだけ選び、回答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(第21回メンタルヘルス・マネジメント検定1種) 

  1. 就業先企業が安全配慮義務を負うのは、労働契約関係にある従業員に対してであり、請負会社社員や派遣社員に対して負うことはない。
  2. 安全配慮義務については、1975年2月25日に言い渡された最高裁判決を契機に、労働基準法第5条で規定されるに至った。
  3. 従業員の健康管理問題に関して、労働安全衛生法に違反した場合には一定の範囲で刑事罰の対象とされるが、それとは別に、事業者は契約責任に基づき損害賠償義務を負担することがある。
  4. 安全配慮義務違反に基づく責任については、消滅時効期間は3年である。

 

 

答え・・・

 

 

A.  3

回答3.  従業員の健康管理問題に関して、労働安全衛生法に違反した場合には一定の範囲で刑事罰の対象とされるが、それとは別に、事業者は契約責任に基づき損害賠償義務を負担することがある。

◯ 正解。

労働安全衛生法(公法的規制)に違反した場合は刑事罰の対象となります。ただ、そもそも労働安全衛生法は最低限の基準を定めているという性質上、その範囲は一定のものに限られる場合があります。それ以外の部分は民法の契約責任(私法的規制)が問われる可能性があります。

 

その他の回答について・・・

 

回答1.  就業先企業が安全配慮義務を負うのは、労働契約関係にある従業員に対してであり、請負会社社員や派遣社員に対して負うことはない。

× 誤り。

安全配慮義務の範囲は労働契約を結んだ使用者ー労働者間のみならず、請負会社社員、派遣社員なども対象となる場合があります。

1975年判例では、「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間における義務」としています。つまり、実際の関係性により都度判断されます。(業務上の指揮命令が直接あったか、など)

例えば、直接的契約関係は 派遣社員ー派遣元会社 ですが、実際に働く場所は派遣先会社で、派遣先会社の社員の指示に従って働いている場合、派遣先の会社にも安全配慮義務は発生すると考えるのが妥当でしょう。

 

回答2.  安全配慮義務については、1975年2月25日に言い渡された最高裁判決を契機に、労働基準法第5条で規定されるに至った。

× 誤り。正しくは労働契約法です。

安全配慮義務については、1975年2月25日に言い渡された最高裁判決を契機に、労働契約法第5条で規定されるに至った。

労働契約法5条に使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されています。

それまでは安全配慮義務「信義則上の付随義務」(1975年判例)でしたが、労働契約法は2008年に制定され、法的な義務として定められました。

 

回答3.  安全配慮義務違反に基づく責任については、消滅時効期間は3年である。

× 誤り。 正しくは

安全配慮義務違反に基づく責任については、消滅時効期間は10年である。

 安全配慮義務は契約責任というかたちで問われ(契約の不履行)、契約責任の場合の損害賠償請求権の消滅時効期間は10年です。※

 

※2020年4月〜民法が改正され、消滅時効ルールは以下となりました。

消滅時効ルール

権利を行使することができることを知った時から5年間」もしくは

権利を行使することができる時から10年間」いずれか早い時点。

さらに、後者について「人の生命又は身体の侵害による」場合は「20年間」

民法166条、167条)

 こちらも参照。

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